■米国
▼株式市場
【米国市況】株安・原油高、中東情勢緊迫で-ドルは150円に接近
18日の米株式相場は下落。一方、原油相場は上昇した。パレスチナ自治区ガザの病院爆発でイランがイスラエル非難を強め、戦争拡大の抑止を目指す外交努力が複雑になった。
▼経済指標
米住宅着工件数、9月は集合住宅の持ち直しで増加-市場予想は下回る
住宅着工件数は7%増の年率換算135万8000戸-予想は138万3000戸
建設許可件数は前月比4.4%減、一戸建ては2022年5月以来の高水準
今回の伸びで前月の大幅な落ち込みを一部埋め合わせた格好だが、住宅市場全体では低迷が続いている。ローン金利の高騰と物件価格の高止まりで、住宅取得がかつてないほど困難になっていることが要因だ。
ベージュブックでは「米経済の短期的見通しは安定している、もしくは成長がやや軟化しているというのがおおむねの見解だ」と説明。「労働市場の引き締まりは全米で引き続き和らいだ」と記された。
大半の地区は9月に公表された前回の同報告以降、経済活動にほとんど、もしくは全く変化がなかったと示唆したとしている。
米抵当銀行協会(MBA)が18日発表した調査によると、住宅ローン申請件数を示す総合指数(季節調整済み)は前週から6.9%低下し、1995年5月以来、28年5カ月ぶりの低水準となった。住宅ローン金利の上昇が借り入れの需要を妨げている。
▼債券市場
NY債券、長期債続落 10年債利回りは4.91% 16年ぶり4.9%台 金融引き締めの長期化観測で
18日のニューヨーク債券市場で長期債相場は3日続落した。長期金利の指標となる表面利率3.875%の10年物国債利回りは前日比0.08%高い(価格は安い)4.91%で終えた。一時は4.92%と2007年7月以来約16年ぶりの高水準を付けた。米経済の底堅さを示す指標の発表が相次ぎ、米金融引き締めの長期化を見込んだ債券売りが優勢になった。
ウォール街、膨張する米国債務を懸念-FRBを窮地に追い込む恐れも
米財務省が18日発表した最新統計によれば、中国の米国債保有は8月に5カ月連続の減少となり、2009年半ば以来の低水準に落ち込んだ。中国の保有は外国勢では日本に次ぐ2位。
▼要人発言/アナリスト見通し
米フィラデルフィア地区連銀のパトリック・ハーカー総裁は17日、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げ休止期間を延長すべきだとの認識を示した。雇用や消費の力強さを示す兆候はあるものの、借り入れコストの上昇が景気を減速させることが一段と明らかになっているためだと説明した。
「今は少し待つタイミングだ。(休止期間は)長引くかもしれないし、そうならないかもしれない。ただ、今後数カ月で事態がどのように展開するか見極めるべきだろう」と指摘した。同氏は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁はニューヨーク市内の大学で行われた討論会で「2%という目標を持続的に達成できるよう、粘り強く取り組むつもりだ」と発言。「この景気抑制な政策スタンスを当面維持する必要がある」と語った。
ウォラーFRB理事、据え置き支持か-利上げ必要性「様子見は可能」
ウォラー氏はロンドンの欧州経済・金融センター(EEFC)で講演し、「政策金利の軌道に関して最終的に行動する前に、景気がどのように進展するのか様子を見ることは可能だと考える」と発言。「実体経済が冷え込み始めるのか、あるいは名目経済の物価が過熱するのかを確認するため、データを注意深く見ていく」と述べた。
▼コラム
DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏が、Fox Businessのインタビューでアメリカの政府債務と戦争の関係について語っている。
アポロのスロック氏、米経済はここからが冬-デフォルト増加に備えを
米資産運用会社アポロ・グローバル・マネジメントのチーフエコノミスト、トルステン・スロック氏は投資家に伝えたいことがある。利上げは効果を上げており、投資家がリスクフリー資産(国債など低リスクの金融商品)に逃避することを当局は望んでいるという、明白なメッセージだ。
「パウエルFRB議長が言おうとしているのは、リスクフリー金利をもっともっと引き上げるぞということだ。インフレ率を下げるために当局はリスク資産からのドル引き揚げを望んでいるからだ」とスロック氏。「ドル争奪戦が起きている。リスクフリー金利が投資資金を引き寄せている」と述べた。
▼その他
ブラックロック、銀行からプライベートクレジットへのシフトは続く
世界最大の資産運用会社ブラックロックは、米金融市場で「地殻変動」が進行しており、プライベートクレジットファンドがより多くの企業に融資するようになりるだろうとの見通しを示した。一部の銀行はそうした貸し手との競争に苦戦するだろうと指摘した
米電気自動車(EV)大手テスラが18日発表した7-9月期(第3四半期)決算は44%の減益となった。広範囲にわたる大幅な値下げが利益を圧迫した。
ネットフリックスの18日の発表によれば、7-9月期の会員数は876万人増加し、アナリスト予想を大きく上回り、総数は2億4720万人に達した。同社は、力強い番組編成とパスワード共有対策が奏功したと説明した。
ネットフリックスの株価は、決算発表後の時間外取引で一時13%上昇し、392ドルを付けた。
7-9月期の売上高は前年同期比8%増の85億4000万ドルで、会社予想の85億2000万ドルとほぼ一致した。
純利益は20%増の16億8000万ドルで会社予想を上回った。営業利益率は22.4%で、若干ながら会社予想を上回った。
■日本
▼株式市場
日経平均株価 一時 500円超値下がり NY市場 下落で売り注文
19日の東京株式市場、日経平均株価は一時、500円以上、値下がりしています。
18日のニューヨーク市場で長期金利の指標となる10年ものの国債の利回りが2007年7月以来となる4.9%台まで上昇し、景気の先行きへの懸念から株価が下落したことで、東京市場でも売り注文が目立つ展開となっています。
日本株が米金利に翻弄されている。19日の東京株式市場で日経平均株価は一時前日比600円超安い3万1400円前後になった。急ピッチの金利上昇で株価の割高感が強い半導体株が売られた。ニューヨーク外国為替相場で円安が進んだものの輸出関連株も上値が重く、内需株ぐらいしか物色対象が見当たらない展開だ。
「国内金融機関の中には米債の含み損が膨らみ、やむなく日本株を売るところも出てきた」
日本株反落、米金利高や中東情勢緊迫を嫌気-電機や精密中心広く売り
19日の東京株式相場は反落。米国の長期金利が2007年以来の高水準まで上昇したことや中東情勢の緊迫化、原油市況の上昇が嫌気されている。相対的に金利高で割高感の生じるグロース(成長)株が安く、半導体関連を含む電機や精密機器株の下げが顕著。機械や商社、鉄鋼、医薬品など幅広い業種が安い。
▼経済指標
財務省が発表したことし4月から9月までの今年度上半期の貿易統計は、輸出から輸入を差し引いた貿易収支が2兆7184億円の赤字となりました。年度の上半期として過去最大の10兆円を超える赤字となった昨年度と比べ赤字額は大幅に縮小しました。
▼債券市場
長期金利が0.825%に上昇、米長期金利4.9%台乗せや日銀修正観測で
19日の債券相場は下落。長期金利は0.825%に上昇し、2013年8月以来の水準を更新した。新発5年債利回りも13年以来の水準に上昇。米国で高水準の政策金利継続懸念から長期金利が4.9%台に上昇し、2007年以来16年ぶりの水準を更新した流れを引き継いでいる。日本銀行の早期政策修正観測も重しになっている。
▼要人発言/アナリスト見通し
年内のマイナス金利解除も、YCC再修正より前に-桜井元日銀委員
元日本銀行審議委員の桜井真氏は、日本の実体経済が改善を続け、物価上昇の持続性も高まりつつある中、日銀は年内にもマイナス金利政策を解除する可能性があるとの見解を示した。
▼コラム
関西で人手不足が深刻化している。日銀の9月の企業短期経済観測調査(短観)によると、人手不足感は新型コロナウイルス禍前の2019年以来4年ぶりの深刻度となった。宿泊・飲食などではコロナ禍からの経済回復が頭打ちになる懸念もあり、インバウンド(訪日外国人)が戻る中でも景気の不透明感は強い。
▼その他
日銀が大量に保有する上場投資信託(ETF)の分配金を損失引当金に活用する案が浮上している。ETFの分配金収入は2022年度で1兆円を超える。この収入を引当金にあてて財務体質を強化し、金融緩和の出口局面で生じる損失に備えたいとの思惑がある。国庫納付金の減少につながるため、政府内には異論がある。
■中国
経済指標は概して改善も、不動産大手の苦境が続けば消費マインドに影響
■為替
ドル・円は小幅安、150円接近で介入警戒や日銀観測-米金利は一段高
19日の東京外国為替市場のドル・円相場は小幅下落。節目の1ドル=150円に再接近したことで日本の通貨当局による介入が警戒され、日本銀行の政策修正観測も浮上する中、円買い・ドル売りが出た。一方、米国の長期金利が時間外取引で約16年ぶりの高水準を更新しており、ドルを下支えしている。
■コモディティ
投資マネー主導の原油相場 需給実態は強弱感が交錯
ECBホルツマン氏、最近の中東情勢が原油高騰リスク高める
欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのホルツマン・オーストリア中銀総裁は、イスラエルとイスラム組織ハマスの紛争が原油価格を高騰させ、インフレをあおり、経済成長率を押し下げるリスクがあると述べた。ギリシャ紙タネアが報じた。
LME銅、一時の上げ消す-中国の経済成長と地政学的リスクが綱引き
18日のロンドン金属取引所(LME)の銅相場は一時の上げを消し、ほぼ変わらずで取引を終えた。市場では中国の経済成長を巡る楽観と中東の紛争に対する懸念が比較検討されている。
米ニューヨーク市場で18日、原油指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は一時1バレル89・88ドルと約2週間ぶりの高値で取引され、90ドル台に迫った。イランがイスラム世界の産油国にイスラエルに対する原油の輸出禁止を提案したことなどで地政学リスクが意識された。
■その他
YouTube、国内の月間視聴者7120万人 年齢層拡大
グーグル日本法人は18日、動画共有サイト「YouTube(ユーチューブ)」の18歳以上の月間視聴者数が5月時点で7120万人を超えたと発表した。広告主向けイベント「YouTube Brandcast 2023」で国内の利用状況を開示した。22年の同イベントで発表した視聴者数より1.7%増えた。特に45〜64歳は2680万人以上と同世代人口の79%以上を占め、視聴する年齢層が広がっているとした。
世界の外国人観光客数が新型コロナウイルス禍前の9割の水準に回復してきた。国連世界観光機関(UNWTO)によると今年7月の観光客数は2019年比で10%減となり、減少幅は20年以降でもっとも小さくなった。けん引役はサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)などの中東地域。アジア太平洋地域の回復は遅れ気味で、各国・地域にとって成長産業であるインバウンド観光の競争は激しさを増す。
政府は、一定規模以上のアプリストアを提供する事業者(事実上、アップルとグーグルとなると推察される)に対して以下の規制を導入しようとしている。