最終更新: 2023年5月31日
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本邦対外資産負債残高とは

日本の企業や個人、政府が海外に持つ金融資産と金融負債の価値や構成を表した統計のこと。

各年末までの残高を翌年5月末までに財務省から公表されます。

例:2022年末の残高は2023年5月末までに公表

本邦対外資産負債残高の各項目

本邦対外資産負債残高に出てくる項目、用語には主に下記のものが含まれます。

大きく分けて資産についての3つと資産の中の内訳に関するものです。

対外資産

日本の企業や個人、政府が海外に対して持つ資産のことです。

対外負債

資産とは反対に日本の企業や個人、政府が海外に対して持つ負債、つまり、海外の企業や個人、政府が日本に対して持つ資産のことです。

対外純資産

上記の対外資産から対外負債を引いた金額が対外純資産です。

日本が海外に対して、海外でどれだけ資産を持っているかを表しています。

日本は2023年時点で32年連続、対外純資産が世界で1番となっており、日本の”円”が安全資産と認識される大きな理由の1つとなっています。

参考:32年連続、世界で1番の対外純資産国。日本の”円”はなぜ安全資産なのか

対外純資産の内訳

対外純資産は大きく3つ「証券投資」、「直接投資」、「外貨準備」に分けられます。

証券投資

証券投資は馴染み深い意味のまま、資産運用目的の株式や債券への投資です。

日本の個人投資家や機関投資家が持つ海外の企業の株式、投信信託や、諸外国の国債などへの投資がこれにあたります。

直接投資

直接投資は外国企業への出資(議決権割合10%以上)、合併や買収を通じた投資、事業のための工場の設立などが含まれます。

また、近年増加傾向にある収益の再分配も直接投資にあたります。収益の再分配とは海外であげた収益を日本へ戻すことなく、そのまま海外でさらに工場を作ったり事業を加速させるための資金とすることです。

外貨準備

通貨当局の管理下にあり、さらに直ちに利用可能な対外資産のことです。”直ちに利用可能”と制限されているように、すぐに売買が成立しないような資産はカウントされません。


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