こんにちは、GOEMONです。

チャットでカタカタと指示を出してコーディングをしてもらうVibe Codingですが、最初はよかったのに途中からバグを生みまくり、頼んでもないことをAIがやり始めてしまったという経験はよくあると思います。

特にVibe Codingが一気に増えたClaude 3.7 SonnetをCursorで使っているとよくこの現象が起こります。

これはコンテキストウィンドウがClaude 3.7は20万トークンしかないので、与える情報が少し多くなるとあっという間にオーバフローしてしまうからなのです。

というわけで、そのコンテキストウィンドウのオーバーフローに関してGeminiにまとめてもらいましたので、下記をどうぞ。


AIの「短期記憶」? コンテキストウィンドウとは?

「コンテキストウィンドウ(Context Window)」とは、簡単に言うとAIが一度に覚えておける情報の量のことです。人間の「短期記憶」や「作業机の広さ」をイメージすると分かりやすいかもしれません。

私たちが誰かと会話するとき、直前の話題や流れを覚えているからスムーズに話せますよね。AIも同じで、あなたがエディタに入力した指示、書いているコード、そしてこれまでのチャットの履歴などを「コンテキストウィンドウ」という限られたスペースに入れて、それを基に次の提案やコード生成を行います。

AI搭載エディタでの流れ:

  1. あなた: 「このボタンにクリック機能を追加して」と指示を出す。
  2. エディタ: あなたの指示 + 現在開いているコード + これまでのチャット履歴などをコンテキストウィンドウに入れる。
  3. AI: コンテキストウィンドウ内の情報をすべて考慮して、最適なコードを提案・生成する。

このコンテキストウィンドウが大きいほど、AIはより多くの前後の文脈やコード全体を把握できるため、賢く、的確な応答をしやすくなります。

なぜ問題が起きる? 「コンテキストウィンドウのオーバーフロー」

問題は、この「作業机」や「短期記憶」には限界があることです。

プロジェクトが大きくなり、コードの量が増え、AIとのチャット履歴が長くなってくると、コンテキストウィンドウはその情報でいっぱいになってしまいます。これが「コンテキストウィンドウのオーバーフロー」と呼ばれる状態です。

机の上が書類で埋め尽くされて、大事なメモが見えなくなったり、どこに何があるか分からなくなったりするのを想像してみてください。AIも同じで、コンテキストウィンドウが溢れると、以下のような問題が起こりやすくなります。

  • 指示忘れ: 以前にあなたが与えた重要な指示や前提条件を忘れてしまう。
  • 矛盾した提案: 前に生成したコードと矛盾するコードを提案してくる。
  • 意図しない変更: 修正を頼んだ箇所だけでなく、関係ないはずのコードまで変更してしまい、バグを生む。
  • 的外れな応答: プロジェクト全体の文脈を把握できず、トンチンカンな提案をする。
  • パフォーマンス低下: 応答が遅くなったり、質が低下したりする。

つまり、最初は順調だったのに途中からAIの様子がおかしくなるのは、プロジェクトが進行して情報量が増え、AIがコンテキストウィンドウの限界を超えてしまい、重要な情報を見失っている可能性が高いのです。

どうすれば解決できる? 具体的な対策

コンテキストウィンドウのオーバーフローは、AIの仕組み上避けられない部分もありますが、工夫次第で問題を軽減し、快適にAIコーディングを続けることができます。

解決策1:チャット履歴をリセットする(一番手軽!)

最も簡単で効果的な方法の一つが、チャット履歴をクリアして、新しいセッションで始めることです。

  • なぜ効く?: これまでの長いやり取り(=コンテキストウィンドウを圧迫していた情報)を一旦リセットし、AIが「今の」コードと「新しい」指示に集中できるようにします。
  • やり方: Cursorなどのエディタには、通常チャット履歴をクリアしたり、新しいチャットを開始したりする機能があります。定期的に、あるいはAIの応答がおかしいと感じたら、履歴をクリアして、改めて指示を与えてみましょう。

解決策2:情報を整理・要約してAIに伝える

AIにプロジェクトの全体像や重要な前提条件を毎回思い出してもらうのは大変です。そこで、重要な情報を分かりやすくまとめておくことが有効です。

  • なぜ効く?: 長いチャット履歴をたどらせる代わりに、要点を絞った情報を与えることで、コンテキストウィンドウの消費を抑えつつ、AIに必要な情報を的確に伝えられます。
  • やり方:
    • コメント機能を使う: コード内にコメントとして、「この関数の目的」「この部分の重要な仕様」などを書いておく。AIはコード内のコメントも読み取ってくれます。
    • 別途ドキュメントを作る: プロジェクトの目的、主要な機能、守ってほしいルールなどを簡単なテキストファイル(例: README.mdSPEC.txt)にまとめて、AIに「このドキュメントを参考にして」と伝える。(エディタによってはファイル読み込み機能があります)
    • AIに要約してもらう: ある程度チャットが進んだら、「ここまでの重要なポイントをまとめて」とAIに頼んで、それを次の指示の冒頭に含めるのも良い方法です。

解決策3:より大きなコンテキストウィンドウを持つAIモデルを選ぶ

AIモデルによって、扱えるコンテキストウィンドウのサイズは異なります。より大きなウィンドウを持つモデルを使えば、オーバーフローの問題は起こりにくくなります。

  • なぜ効く?: より大きな「作業机」があれば、たくさんの情報を置いたままでも作業スペースに余裕が生まれます。
  • やり方:
    • エディタの設定を確認: Cursorなどのエディタでは、使用するAIモデル(例: GPT-4, GPT-4 Turbo, Claude 3 Opusなど)を選択できる場合があります。より新しいモデルや高性能なモデルは、一般的にコンテキストウィンドウが大きい傾向があります。(ただし、高性能なモデルは利用料が高くなる場合があります)
    • モデルの特性を調べる: 各AIモデル(GPT-4o, Claude 3.5 Sonnetなど)には公表されているコンテキストウィンドウサイズがあります。利用しているエディタがどのモデルを使えるか確認し、より大きなウィンドウを持つモデルを試してみるのも手です。

解決策4:タスクを小さく分割する

一度にたくさんのことをAIに頼むのではなく、タスクを小さなステップに分割して、一つずつ依頼することも有効です。

  • なぜ効く?: 一度に扱う情報量を減らすことで、コンテキストウィンドウの負担を軽減できます。
  • やり方: 例えば、「ユーザー登録からログイン、プロフィール編集機能まで全部作って」と一気に頼むのではなく、「まずユーザー登録フォームのHTMLを作って」「次に、入力された情報を保存する処理を書いて」のように、段階的に進めましょう。

まとめ:コンテキストウィンドウを理解して、AIと上手に付き合おう!

AI搭載エディタは、プログラミングの学習や開発の強力な味方です。しかし、その裏側にある「コンテキストウィンドウ」という仕組みを理解しておかないと、思わぬところでつまずいてしまうことがあります。

もしAIの挙動がおかしくなってきたら、「もしかしてコンテキストウィンドウが溢れている?」と考えてみてください。そして、今回紹介した

  1. チャット履歴のリセット
  2. 情報の整理・要約
  3. 大きなウィンドウを持つモデルの選択
  4. タスクの分割

といった対策を試してみてください。

コンテキストウィンドウの限界はAIの特性であり、それを理解し、うまく付き合っていくことが、AIコーディングを成功させる秘訣です。これであなたも「コンテキストウィンドウ」問題を乗り越え、快適なAIコーディングライフを送れるはずです! 頑張ってください!

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