TL;DR(忙しい方向け)

大学生がAIでレポートを書くことが問題になったり、AIの出力が自分が一生懸命考えた成果物より優れていて嫌になってくる人が多いようです。そこで、AI使用を前提に、むしろ従来より深く学べる課題設計と評価システムを作るべきだと思い、アイデアをClaude君と相談してみた学習/評価システムを下記に置いておきます。

※この文章はClaudeが議論をもとに一度生成したものを大幅に加筆・修正しています。

本記事で提案するのは、学生が従来のレポートやテストより深く、記憶に残る学習ができる上に、大学側が抱える生成AIレポート、テストの評価軸の問題も解決するシンプルなシステムです。

  1. AIでレポート初稿を作らせる(むしろ推奨)
  2. わからない部分を徹底的にAIで深掘りさせる
  3. 全体を「自分の教科書」として再構成させる
  4. テストは各学生の教科書から個別に自動生成

これにより、AI丸投げ組と真面目に学んだ組が明確に区別でき、後者は従来の授業より遥かに深く学べるはずです。

興味ある教授の方、もしご希望があれば、簡易的なプロトタイプを作ってみるのでご連絡ください(@goemon_tokyo)。


問題提起:AIレポート問題の本質は「課題設計の時代遅れ」

前提:

  • 教授が「AI使用禁止」と言っても、使う学生は使う
  • 検出はほぼ不可能
  • 真面目に禁止を守る学生だけが損をする
  • 結果、不公平が生まれる

禁止は機能しない上に、電卓やパソコン、インターネットの歴史と同じく、使用前提で設計すべきです。大学を卒業して「AIの使い方よくわからない」と言うのは、今就活の面接で「パソコンほとんど触ったことがありません」と言ってくる学生ぐらい需要がなくなるのは目に見えています。


従来の対策とその限界

巷では「じゃあAIに負けない課題を出せばいい」という意見があります。例えば:

  • 一次情報の収集を強制する(インタビュー、フィールドワーク)
  • 授業固有の情報を使わせる
  • 個人的な体験を書かせる

でも、これは本質的ではありません。

これらは「AIができないこと」を探して無駄な作業を増やしているだけで、本来学ぶべき内容(例えば経済学の理論)とは関係ない作業を追加し、学生の「努力点」のようなものを追加で用意しているだけです。

私はこのような頑張ったで賞を付けることには反対派なので、本質的に深く学習でき、テストでも評価できるシステムを考えるべきだと思っています。


実例で考える:典型的なレポート課題の問題点

経済学の典型的な課題を見てみます:

課題例:「日本の経済成長率が低迷している理由を論じなさい」

AIに丸投げするとこうなります(200字で書いてもらった):

日本の経済成長率低迷の主要因は、少子高齢化による労働力人口の減少と生産性の伸び悩みである。総人口が減少する中で国内市場は縮小し、消費も低迷している。また企業の設備投資意欲が低く、イノベーションも停滞している。さらに1990年代のバブル崩壊後、デフレマインドが定着し、企業も個人も消費や投資を控える傾向が続いた。加えて既存産業への依存が強く、新産業の育成が遅れている点も成長を阻害している。

それっぽく見えるが、これは教科書的な表層知識の羅列です。

学生はこれを提出して終わり。何も理解していないことが問題です。


アプローチ:AI活用を前提とした深掘り学習システム

そこで、まずは純粋に学生がAIを使う前提でどうしたら学生の身につく学習ができるかを考えました:

ステップ1:AIでレポート初稿を作る(推奨)

まず普通にAIに課題を投げさせる。禁止しても無駄なので、むしろ推奨しましょう。課題を投げたらパパッ生成してくれます。

ステップ2:ファクトチェックを義務化

出力された情報が正しいか、必ず自分で調べさせることは徹底します。これは生成AIを使う上での習慣として身に付けさせるため+間違った情報を記憶させないためです。

提出されたレポートに間違った情報がそのままのレポートは減点またはやり直しさせます。

これで「情報を精査する力」と「常にAIの出力を疑う力」が養われます。

ステップ3:わからない部分を徹底的に深掘り

ステップ1で生成されたレポートを読み、わからない部分があったらAIに再度質問させます。

例えば先ほどのレポートから:

  • 「企業の設備投資意欲が低いのはなんで?」
  • 「バブル崩壊後、デフレマインドはどうして起こるの?」
  • 「インフレで借金の実質価値が減少するってどういう仕組み?」

AIが回答(各200字):

企業の設備投資意欲が低いのはなんで? 日本企業は将来の成長期待が低く、国内市場の縮小が見込まれるため、新規設備への投資を控えている。バブル崩壊後の過剰投資の反省から慎重姿勢が続き、内部留保を積み上げる傾向が強い。また終身雇用制度下では設備投資の失敗リスクを経営者が負いにくく、保守的な判断になりやすい。さらに既存設備での生産で十分な利益が出ており、積極投資の必要性を感じにくい状況もある。

バブル崩壊後、デフレマインドはどうして起こるの? バブル崩壊で資産価値が急落し、企業や個人が多額の借金を抱えたまま資産だけが減少した。この結果、企業は投資を控え、個人は消費を抑制するようになった。需要が減ると企業は価格を下げざるを得ず、物価が下落。すると「待てばもっと安くなる」という期待が生まれ、さらに消費が先送りされる。この悪循環が続くことで「物価は下がり続ける」という心理が定着し、デフレマインドが形成された。

この出力に対し、さらにわからなければ、また質問する。

このプロセスをわからないことが無くなるまで繰り返してもらいます。

ステップ4:全体を「自分の教科書」として再構成

最後に、初稿とすべての深掘り内容を統合して、体系的な教科書形式のレポートにまとめさせます。

この教科書形式のレポートは自力で自分がわかりやすいように構成しても良いし、AIに全会話のコンテキストを与えて生成させても構いません。

その学生自身が一番良いと思った形式でまとめればいいです。
※但し、画像やPDFではNG。後述のテスト作成に使用するためテキストベースが良いです。

ここまででまず、単純にレポートを作成させるよりも圧倒的に深い学習ができるかと思います。どうせ禁止してもAIを使うし、AIを使ったか否かを判断することは今後さらに困難になり、それを考える労力は無駄に近くなるはずです。

それならば、本質は「学生がレポート課題を通して知識や思考力が身についたか」を図りたいので、AI使用を前提として学生の身になる方法を取るべきでしょう。

ここまでのプロセス:

  1. 自分がわからない部分を自覚できる(授業では流れていく)
  2. わかるまで何度でも聞ける(教授には気を使って聞けない)
  3. 自分のペースで深掘りできる(授業は一律のペース)
  4. 最終的に自分の言葉で再構成する(理解の証明)

余談ですが、受験勉強ガチった方なら自分で書いたノートとかまとめたバインダーってなんかめちゃくちゃ記憶に残った気がしません?そういう効果もあれば尚良しです。


新しい評価方法:個別化されたテスト

ここからがこのシステムの核心部分です。

AIを使ったレポート(学生ごとの教科書レポート)を提出させるところまででは、実際のところ初期プロンプトだけで完成させることも可能です。

例:レポート課題に対して出力→深堀りすべきところを自動で抽出し、回答→これ繰り返して と指示→10回繰り返したら最後に教科書っぽくレポートにまとめて で完了してしまう。

しかし、個別化されたテストを用意することで、最終的な評価をすれば解決できます。

テキストファイルで提出&保存

学生にレポートをテキストファイル(.txtまたは.md)で提出させておき、学生ごとにに保存しておきます。

学生ごとに異なるテスト問題を自動生成

そして、テストは従来のように全員共通ではなく、各学生が作った「自分の教科書レポート」から出題します

もちろんこれは自分の教科書レポートの範囲内かつ、授業で触れた部分という共通項を探して出題する必要がありますが、今のLLM技術なら簡単です。

プロンプト例:
「この学生(uid:123)のレポートから、経済学(2025年前期)の理解度を測るためのテスト問題を作成してください。
テスト問題はレポートの中から経済学(2025年前期)で講義した内容を理解しているかを評価できるものとします。
なお、レポートチェックの追加1問は講義資料には記載がないが、学生のレポートにまとめられている事項の中から出題してください。
- 選択式10問(基礎的理解)
- 記述式5問(深い理解)
- 追加1問(レポートチェック)

なぜこれが革新的か

1. カンニング不可能

  • 隣の学生と問題が違う
  • 他人のレポートを見ても意味がない

2. 過去問が無意味

  • 毎年、全学生の問題が異なる
  • 過去問の流通が無意味化

3. 本当に理解したかが一発でわかる

  • 真面目に深掘りした学生:自分の教科書を読み返すだけで高得点
  • AI丸投げ組:自分が書いてない(理解してない)内容だからボロボロ

4. 教授の負担が減る

  • テスト作成が自動化
  • 採点も選択式部分は自動、記述式も採点基準を明確化しやすい

予想される成績分布

  • 真面目に深掘り組:80-100点
  • そこそこ組:60-80点
  • 完全丸投げ組:0-40点

色々と課題はあるでしょうが、基本的なコンセプトとしては正しく評価できるのではないでしょうか。

また、仮にレポート作成時に全部丸投げをしていて、テスト直前にレポートを丸暗記一夜漬けをしたとしても、この方式のテストで高得点が取れていれば、AIを使っていようが使ってなかろうが、知識としては蓄えられている証明になるので、AIが登場する以前の一夜漬けとなんら変わらず、問題にはならないでしょおう。


期待される効果

学生にとって

  • AI活用スキルが身につく(社会で必須の能力)
  • 能動的な学習習慣がつく
  • 深い理解が得られる
  • 自分専用の教科書が手に入る

教授にとって

  • AI丸投げを心配する必要がなくなる
  • テスト作成の負担が減る
  • 学生の理解度を正確に測れる
  • 不正の心配が激減

大学にとって

  • 教育の質が向上
  • AI時代の教育モデルとして先進性をアピールできる
  • 学生満足度の向上

プロトタイプを作っても良き

このアイデアはのシステム自体は結構単純なので、そこまで労力をかけずに実現可能です。必要な機能は:

  1. レポート提出・保存システム
    • 学生ごとにテキストファイルを管理
    • バージョン管理(提出履歴の記録)
  2. テスト自動生成機能
    • LLM API連携
    • 各学生のレポートから問題を生成
    • 出題形式のカスタマイズ
  3. 採点支援機能(オプション)
    • 選択式の自動採点
    • 記述式の採点基準提示

興味ある教授の方へ:プロトタイプを使ってみたいという希望があればボチボチ作ってみます

実際に授業で試してみたい方、まずは小規模な実証実験から始めたい方、ご連絡頂ければと思います。特にお金はいらないです。無償で簡易版プロトタイプを開発します。

もちろん本当にプロトタイプを作る場合は学生さんの個人情報などを扱うので、僕の会社でNDAなど結んでからの開発でも大丈夫です。

連絡先: [Twitterが楽です:(@goemon_tokyo)] Twitterがなければ、こちらから


最後に:時代に合わせた教育を

電卓、パソコン、インターネット。新しい道具が登場するたびに「それは邪道だ」という声があったかと思います。

でも結局、便利なものは浸透して使われます。

AIも同じかそれ以上でしょう。

禁止するのではなく、AIを使って深く学ぶ仕組みを作る。 これが、AI時代の教育のあり方として必須かと思います。

私としてはAI登場以前より調べ物や気になることをすぐAIに聞いて深堀りするクセがついて、学習意欲や知識量は大幅に増えました。

そのため、制限をせずにAIを最大限活用しながら、学習意欲を阻害せず、むしろ効率的に学習できるよう考えてみました。

もし感想や改善アイデアがあればリプとかでもください。ここに載せてアップデートしていきます。

あと、特にアイデアに価値はないと思っている派なので、ここから着想を得てなにかサービス作りたい方がいればもちろん適当に作ってくださって結構です。成功したらちょっとだけ株ください。笑

それでは!

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