年初からChatGPT登場以来、約2年ぶりにどっぷりとAIを使いまくっている今日このごろ。
気づけば月3万円のChatGPT Proを筆頭に色々と課金しまくってしまい、5万円/月ぐらい契約中です。一人企業のため、仕事に使うツールを変えるのも楽ですので仕事にもガンガン使っていて、2ヶ月しっかりと使った結果、生成AIで置き換えられるものとそうでないものが見えてきました。
そして、ここ最近はタイトルの通り士業の価値が激減するだろうなと思っているところです。
1.士業とは
士業(しぎょう)とは、日本において職業名の末尾に「士」の字が付く専門的な職業の総称です。「士」を「さむらい」とも読むことから、「さむらいぎょう」とも呼ばれます。これらの職業は、高度な専門知識を有し、国家資格を取得することで特定の業務を独占的に行うことが認められています。by ChatGPT 4.5
会社経営者として身近なところで言えば、弁護士、税理士、司法書士、労務士などですね。
毎日仕事で生成AIを使うようになってから、法的に気になった箇所や会計処理が怪しい箇所についてパパっとチャットでAIに聞き、回答してもらうことが多くなりました。
それが2ヶ月続き、現段階では顧問弁護士や顧問税理士はもう次回契約しないでいいかなと思っています。
2.なぜ生成AIで取って代われるのか
大企業はわかりませんが、日本の会社の約75%を占める社員が0から10人程度の会社の場合、よっぽど特殊なビジネスをしていない限り法的な部分も、税務的な部分も、正直なところ今までもググって出てきた回答と顧問弁護士/税理士に聞いた回答も変わらなかったと思います。
ではなぜわざわざ毎月固定のお金を払ってまで顧問を付けていたのかというと、「念の為」という不安材料の払拭のためが多いのではないでしょうか。
例えば税務で言うと、
自分:「これ経費にして良いのかな?」
検索結果:「業務と関連性があるものであれば経費になります。場合によっては家事按分をし適切な割合を決めると良いでしょう」
自分:「これは業務のためだけに買ったから100%経費でいいな。一応顧問税理士に確認しとこ」
顧問税理士:「業務のために購入されていらっしゃるのであれば100%経費で問題ございません。プライベートでの使用が少しある場合には20:80などで家事按分するのが適当かと思います」
みたいな念の為の確認パターンがほとんどだと思うんですよね。
法律面でも、ぶっちゃけ契約書なんて大抵はネットに落ちてるテンプレで充分で、わざわざ弁護士の先生に作ってもらう必要はないけど、万が一の際に不安だから弁護士に確認入れたりするわけじゃないですか。
その不安材料払拭のための保険料というか安心料のために、月数万、年間30~50万円ぐらいを顧問弁護士、顧問税理士に払っているわけです。
実際に僕も昔は弁護士も払ってましたし、今は顧問税理士と契約して払っています。
しかし、生成AIの進化で、この不安材料の払拭というのが手軽にチャットで出来るようになってしまった。
3.不安材料の払拭と生成AIの正確性
税務については質問をすれば即レスしてくれるし、Web検索を合わせれば色んな会計サービスが書いた解説も取り入れてくれます。
法律的な問題や契約書の作成については「こういう業務で契約書を結ぶんだけど、下記の条項以外に盛り込んだ方がいいものはある?」と聞いて何往復かすれば30分ぐらいで完璧な契約書が出来上がるし、細かなケースについても最後に「必要に応じて弁護士に相談することをオススメします」と付け加えながらも超絶細かい解説を入れてくれます。
こうした生成AIとのやり取りは2年前から出来ていたのに、なぜ今になって生成AIで置き換えられると思ったのかというと、回答の正確性がかなり担保されてきたからです。
2年前のChatGPT登場時に使っていた時は正直なんの質問をしてもおバカさんで、回答が正確かどうかを毎回ググるとう二度手間パラダイスでした。
しかしここ2ヶ月使いまくった結果として、普通の文章の質問をChatGPT 4o、o3-miniでWeb検索を付けた状態で聞いた場合には間違った回答が一度も返ってきていません。GeminiやPerplexity、ChatGPTでもWeb検索なしだと怪しいことがたまにありますし、4o、o3-miniでもコードを書いてもらったらエラーが出ることはありますが、普通の質問に関してはめちゃくちゃ信頼できる回答です。
そして、この回答の正確性というのが、まさに士業の方々に求めていたものなんですよね。
ググって多分これで合ってるだろうけど、間違ってたら嫌だから資格持った先生に金払ってでも確認したい。
この不安材料の払拭が僕が顧問税理士などを契約していた一番の理由なのですが、生成AIの回答の正確性が向上し、仕事でも毎日使うパートナーとして信頼できるレベルに達したため、生成AIに聞けば事足りてしまうようになったというわけです。
実際にここ2ヶ月、税務について顧問税理士の先生へメールで質問すると同時にChatGPTにも聞いているのですがChatGPTが間違っていたことはありません。
残念ながらガッツリ弁護士が必要な業務は発生していませんが、海外クライアントとの契約書をWorkspaceのGeminiで読み込ませて翻訳してもらい、追加した方がいい要件などを確認するなど、顧問税理士のような働きをしてもらっています。
しかもこうした確認が顧問の先生は忙しい方が多く、少しの質問に対して回答まで丸1営業日かかったりするのですが、生成AIなら即答。これがまた良い。追加の質問や、じゃあこっちのケースだったら?みたいな今後想定されるケースについても速攻で答えてくれます。
4.費用のメリットが大きすぎる
こうした機能面で充分な精度とレスポンス速度となっている生成AIなわけですが、さらに費用面でもメリットが大きい。
顧問弁護士、顧問税理士は規模によっても多少変わりますがそれぞれ月3万~10万円ぐらいが相場感です。どちらも安めの3万円としても年間36万円ずつで72万円かかります。
ぐんぐん伸びている会社なら必要経費として手間が省ける分気にならないようなコストかもしれませんが、僕のようにコスト削減しながらコツコツ系の企業にとっては年間100万円弱が固定で出ていくのは結構つらい。
それに対して、ChatGPT、Gemini、Perplexityなどの有料プランはたいてい月3,000円、年間で3.6万円程度です。(今僕は月3万円のChatGPT ProにしてますがDeep Researchとオペレーターを試したかっただけなので、基本は3,000円のPlusで十分)
しかも生成AIなら税務、法律について聞けるだけでなく、ビジネスについてもニュースについても、趣味についても、なんでも聞けちゃいます。
こうしたコストの面でも圧倒的に抑えられるメリットが非常に大きいです。
5.士業の独占
最後に士業の独占業務について。
弁護士や税理士、司法書士は国家資格を取得した人のみがその特定の業務を独占的に行えると法律で定められています。
つまり、法律に詳しからといって資格を持っていない人が法律についてアドバイスして報酬を得るようなビジネスをしてはいけないんですね。
税務についても同じで、会社経営歴が長くて税理士よりも税務処理について詳しいぞ!ってなオジさんが税務アドバイスを毎月してやるよって言って顧問料を貰うのもダメなわけです。
でも、実際には同じような業種の先輩経営者が居たら、税理士や弁護士に聞くよりそっちに聞いた方が良いパターンもあったりするわけで、正直身近に信頼できる人がいれば少しお金払ってでも正式な弁護士/税理士に依頼するより安ければ、そっちに頼みたい人は結構多いんじゃないかと思います。
でも法律で士業の独占業務だからできない。
そこで現れたのが生成AIで、こやつらは基本的に普通に質問に回答している限り法律に触れない(今のところ)。
ガッツリ「税務相談サービスAI」みたいな形で出しちゃうと、法に触れるのかもしれませんが、総合的なサービスを提供している生成AIに税務相談したり法的な相談をして回答するのは特に違法にならないわけです。
だから、これまで資格を持っている人しか出来ない仕事で相談できる人が弁護士/税理士しか居ないから契約していたものが、生成AIの回答で満足できちゃう人が増え、士業の価値が下がるなと思った次第でございます。
まぁでも数年付き合いのある顧問税理士さんに来期から契約更新しないって言うのすげぇ気まずいから、惰性で更新しちゃう可能性もゼロじゃないなと思ったり。。そういう人間関係もある職業だから、全部が全部置き換えられるわけじゃないけど、機能的には大部分は置き換えられそう、というのが現時点で感じるところです。
ではまた!